十八世紀イタリア、男爵家の長子コジモは、十二歳のある日、かたつむり料理を拒否して庭の木に登ると、以後、地上に降りることなく、木の上で暮らし始める。木から木へ伝っ ...

「木のぼり男爵」から「パロマー」まで、卓抜な想像力と奔放なユーモアで、熱狂的共感を勝ち得てきた二十世紀文学の旗手イタロ・カルヴィーノ。その寓意に満ちた作品世界が ...

... のぼりやすい。たいていの針葉樹は、願い下げだ。木の上の過ごしかたは、読書や昼寝がいい。落ち着ける幹の股をみつけて ... 男爵』のことだ。つ つ一七六七年六月。男爵の.

... 男爵としたのであった。そして、かく名告けたときから、僕は、かの木のぼり男爵の血族に違いないと思い定めたのだ。もっとも、そのときは書名を知るのみで、その本を読んではいなかったのであったが。そして、急拠、そのイタロ・カルヴィーノ著『木のぼり ...

... 木のぼり男爵』( 1957 )、『見えない都市』( 1972 )など。 あなたの人生の物語この作品は次のように始まります。あなたはイタロ・カルヴィーノの新しい小説『冬の夜ひとりの旅人が』を読み始めようとしている。さあ、くつろいで。精神を集中して。余計な ...

... 木のぼり男爵』も主人公が成長しないですね。どちらかというと、ぼくはカルヴィーノのほうが好きで、『ブリキの太鼓』は、たとえば、主人公のオスカルを成長させないために、作者がオスカルの出生譚とその前日譚をいろいろ細工するところが煩かった ...

... 木のぼり男爵』今日の社会のイメージには、私のこの欲求を満たすものがひとつとしてないので、私はごく自然に、この冒険的で空想的な要素を現代の外や現実の外に移行させて、物語を書いてきた。たとえば、木の上によじ登ってそこで生活を送る十八世紀の男爵 ...

... 木のぼり男爵」について、春日井は何度か言及しているが、登った木から生涯降りまいと決意した「木のぼり男爵」に「心からなる尊敬」(「夕閑」)を覚えたという。「木のぼり男爵木上にくらし死ぬる日も何処かへ飛びさりき気球にて」という歌が「井泉』に ...