推理小説を論じない日本文学史などありえない。涙香から乱歩、清張を経て21世紀まで。登場する面々、作品は豪華絢爛。「謎」をめぐる明晰な通史【年表つき】。

江戸後期、大岡越前の裁判小説が人気だったように、日本人は元来、謎解きが大好きだった。だが、ポーの「モルグ街の殺人」にはじまるミステリーが受容され、国産の推理小説 ...

松本清張・佐野洋・都筑道夫・高木彬光に江戸川乱歩。明治から平成まで、おのれの理念をかけての筆ゲンカ。「いい大人が.. ...

日本文学研究とミステリの垣根を超える試み

科学的な言説と大衆的な不安とが交差するなかから誕生した探偵小説は、時代をどのように表象してきたのか。近代文学の探偵小説的なるものの系譜を追いながら、魔的で奇怪な ...

... 日本推理小説辞典』(東京堂出版、一九八五年、「山本禾太郎」の項)、同『日本推理小説史』第二巻(東京創元社、( 3 )小南又一郎『実例法医学と犯罪捜査実話』(人文書院、一九三一年)四〇頁。( 30 )小南又一郎『法医学短篇集』(近代犯罪科学全集 8 、武俠社 ...