アメリカン・ユーモア研究の碩学の書

若い国アメリカにも、開拓時代から愛され語りつがれてきた昔話・伝説・怪談・ほら話などが数多くある。それらは合理的精神や実利主義と言ったオモテの顔に隠された、アメリ ...

... 話をして終わりましょう。たたび王様と公爵の話です。彼らは人を騙すけれども、さっきのインド洋の海賊を改心させるというほらなんかは、嘘っぱちもいいところだけど滑稽ですよね。アメリカにはほら話、うそ話の伝統があります。うそ話のことを「トール ...

... ほら話は利用された。人びとは相集まるとほら話に花を咲かせ、笑いころげて現実のきびしさを忘れた。巨人ポール・バニアンはアメリカの木こりたちの空想の産物である。ポールの食べるビフテキは、二人の男たちが大きな鉄板でスケートをしながら焼く超特大 ...

... アメリカのホラ話の伝統にしかし、この映画をあまりに理詰めに考えてしまっては楽しくない。なによりこの映画はアメリカ人が大好きなトールトーク(ほら話)、コミカルな風刺劇なのだから。トム・ハンクスが実際のケネディやジョンソンとツー・ショットして ...

... ほら話(tall tale)」の伝統を活用することができたためである。だが、やはり主な理由は、開拓が急速に進む西部に対する人々の興味がとりわけ強かったことにあり、西部のことを知りたいという読者の期待があったからこそ、ブレット・ハート(Bret Harte ...

... ほら話」(tall tale)の傑作を書いて全国的に有名になり、翌年ニューヨークに移住する。作家としての地位の確立は「アメリカの精神的独立宣言」とも呼ばれる文明批判の旅行記『赤毛布外遊記』(The Innocents Abroad, 1869)によってであるが、代表作は故郷 ...

... アメリカのほら話の戯画的なヴァリエーションを思わせるし、とりわけ、かっての野性味がいまは倒錯した悲しい疎外状況の象徴と化してしまった、今日の世界にとり残されたアメリカの田舎町の皮肉な運命を思わせる。いってみれば、これは、あの広大な地域と ...